文字から広げるイマ字ネーション
みなさん、人間活動やってますか?
誕生日が天皇陛下と同じことに定評があるYWCDサイモトです。何かくれよ。
デザイン業界における年末進行という世界観があります。皆さんご存知でしょうか?
印刷業界、常に忙しい感じなのですが、とりわけ年末は地獄です。
字面としては因殺業怪という感じ。
時間が追いかけてくること矢の如しなわけで、ぼんやり is 死に直結する大変な時期なのです。
超多忙の中デザインイメージなど考えるのは非常に大変。
テレビも無ェ!ラジオも無ェ!時間もソースも全く無ェ!そういった時に私がどうするかというと、
情報として入っている文字からデザインイメージを発展させます。
文字は情報を伝達する一つの手段ですが、絵としての側面もあります。
そして文字情報に絵が伴ったものを人間は面白がる性質を持っています(当社調べ)
何を言いたいのかというと、「文字も絵となりうる」ということです。
単体の文字にはかなりの情報量があり、特に漢字は「辺」と「作り」の組み合わせですので、デザインする際に非常に効果的に使える場合が多いです。
そこから新たなデザインの発想に繋がることもありますので「文字から広げるイマ字ネーション」をテーマに綴っていきたいと思います。
目次
1.意味をもっと強く
2.別の方向性を追加する
3.異文化交流
4.まとめ
意味をもっと強く
絵的な要素を入れることによって、文字がより強化されるということがあります。
これは、元々文字が持っている意味を絵によって更に引き出すということです。
例としてやってみましょう。使うのは「学」です。皆さん、学んでますか?
強化するにあたって、まずはその漢字の成り立ちを調べましょう。
「学」の成り立ちは、象形文字の「爻(コウ)…交わる・交差する」から来ているようです。
いや、どこにもその要素無いやんけ!
ガセか!と思いましたが、もうちょっと調べてみると…。
旧字体の「學」に入っているんですね。
ですのでいま我々が使っている新自体は簡略形の文字なのですよ。
「学」の意味としてはまなぶ→真似ぶ・先生と生徒が交わり学んでいくこと、です。
思った以上にそのまんまの意味でしたね。
小学校で習いますし、一生つきまとう漢字です。人生は勉強だかんね。
では、これを簡単に強化してみましょう。
こんな感じですかね。 …我ながらざっくりしてんなー…。
「学」=子(生徒)が理解する(わかる)こと・経験の蓄積がなんとなく絵にできたんではないかと思います。
文字が元々持っている情報を引き出すと、絵面としても楽しみが増え、親近感も湧きますね。
真似りがわかりになる。生き物の基本原理ですね。人生とはインプットの連続ですから。
学びの基本です。パクリとは違うんじゃよ。
別の方向性を追加する
ひとつ前では文字そのものが持つ意味を強化しました。
文字というのは潜在的に情報の方向性を示しています。
ただそれだけでも十分なのですが、ここに違う情報を入れてみると更に広がりをもたせることができます。
つまり、ひとつの文字(単語)が持つ方向性に、更に異なる方向性を追加するということです。
言葉にすると訳わからんですな。何言ってんでしょうわたくし。図でやりましょう。
困ったらとりあえず図にしてみろ(暴論)
例えば「語」。元々の意味としては「告げる・知らせる・声で表現する」という感じですが…
これです。手前味噌で申し訳ない。
第五回やまぐち若手デザイナー勉強会フライヤーより引用しています。
「語」に「五回」というアサッテの方向の意図を加えました。
こうすることで「語る」だけの意味に「ywcd 語るの5回目 勉強会(字余り)」に変容しました。よかったですね。
それとは別にフライヤー自体の意図もありますが、それは今回省略!
参加していただいた皆さん、とてもありがとうございました。
年末進行を生き残れたら…俺、また勉強会をやるんだ…。
異文化交流
さて、ここまで日本語でやってきましたが、世界には様々な言語があります。
それを日本語に取り入れることで、意味的にも絵面的にも更に面白いモノになる可能性があります。
「それちょっと無茶なんでは」という方もいるかと思いますが、日本語自体ハイブリット言語みたいなもんじゃない!
細けえこたあいいんだよ(日本酒を差し出す)
引用:http://www.kaikyokan.com/
この作りで有名なのは皆様おなじみ(?)海響館。「響」の上部の作りが「SEA」になっていますね。
そこだけ見ると案外違和感あるんですが、全体でちゃんと読めるようになっています。いいですね。
ていうか上のつくり、全然「響」に沿ってねえのな。すげえ思い切りだ…。
ちなみに個人的逸話としてはペンギンゾーンが良すぎて4時間水槽の前に滞在したというのがあります。暇かよ
しかし、日本でこういう事をする場合、「日本語 + 英語」ってのが圧倒的に多いように感じますね。
ちょっと簡単に作ってみましょう
こんな感じですかね。「照らす」と「shine」をあわせたものです。
うん…なんだろうこれは…。なんとも言えないものができたな…。うん…。
にしても簡単にできました。元々の文字の要素があまり似てないものでも、勝手に目が補完してくれる場合も多々ありますし、頭で考える前に組んでみるといいと思いますよ。
フォントのプロポーションも意識して作ると更に良いものになるでしょう。
元ネタが思いつかないという方は、自分の名前とかで練習すると面白いですよ!(暇かよ)
まとめ
というわけでやってみました。この手法、難しいことはまったく無いと思います。
ただ、どうしても発想にトンチ的な部分が必要ですので、意味のアイデア出しをしっかりする必要はありますかね。
じゃないとトンチキなモノができちゃいますからね。
なにより時間がない時の時短として有効です。ぼんやりしたイメージよりよっぽどきちんとしていますからね。
ぜひ一度やってみていただきたいですね!
以上、因殺業怪の片隅よりサイモトがお伝えしました!
年末、シンコー!!