試される創造力と精神力。vol.8フライヤーデザイン、苦悩と戦いの記録。
こんにちは。YWCDサイモトです。
梅雨が訪れ、湿気が立ち込め、髪がもれなくオルタナティブと言う感じです。何か私に恨みでもあるんでしょうか。逆巻くんだ髪が。
お見せできない
さて、来る8月26日に開催する第8回勉強会の告知フライヤーを作ったのでその時の記録を綴っとこうかと思います。なんで綴るかっていうと、完成までに色々あったのでその時の感情を皆様にも知っておいていただきたいからです。苦悩と戦い(主にイトウとの)の記録です。
人は戦わずにはいられない。
目次
8と蜂
サイモトが勉強会のフライヤーを前回デザインしたのは第5回の時でした。
タイポグラフィーを使用したものでした。というか私が自由にやると大体タイポグラフィー攻勢になります。好きなんだからしょうがないよね。
「語る」と「五回」が絶妙に融合したすばらしいものでしたね。
誰も褒めてくれないから自分で褒めるんだよ。この時も戦ったよね(遠い目)。
今回はテーマがタイポグラフィだということで、再び私にバトンが渡ったわけです。適材適所でしょうか。 今回の主題は以下のふたつ。
さあーーーどうしようかしら。
個人的に勉強会のフライヤーを作る際、意図の中心にあるのは「これはYWCDの勉強会X回目のフライヤーだぞ」ってのがわかるということです。それでいて今までのデザインイメージは崩さず、やっていくことが大事。
で、今回のデザインにおいては3つのアプローチを用意しました。
やっていけそうな感じを得たので実際にレイアウトします。「よっぽどややこしいデザインでもない場合、サイモトはラフを描かないの法則」に従い、いきなりイラレに向かいます。ものぐさじゃあないんだよ。
そこからデザインしたプロトタイプがこちら
インパクトあるんではないか。
まあ大体黄色と黒というのは生理的な注意喚起色ですので、自然と目に入ってきます。Typographyの綴りからtとgを使って蜂を表現、「刺さる表現」というコピーとリンクさせています。いいんじゃないか。
ここまで出来たところでYWCDの残りの3人に見せました。
蜂のゆくえ
さて、わりと自信を持って見せた案、さあどんな反応かしら?
なんといっても合理があるぜ。色味もなかなかいい感じにできたし、
きっと絶賛されるはずだぜ・・・ 楽しみだ・・・。
どや!
ハチ回目というのはわかるんだけど んー 厳しいかなあ・・・蜂に見ようとしてもちょっとしんどい
言われて「あぁ・・・」ってなる感じ
・・・・・・
これはまずい
まさかのメインモチーフに疑問が集中しています。
アルェー、蜂に見えるくない? 見えない? これ? なんてこった・・・テーマに囚われすぎたのか・・・この私が・・・。
Dの部分がグラデなってるのは?
目でしょ? え? Dとは?
あぁ・・・ tの右横にくっついてるやつ
それたぶん蜂の横顔? よね 目の部分よね 気になるよね・・・
目か
・・・・・・
なんか混乱してるし
まずいやつや。これまずいやつや! 謎が謎を呼んでいるこの感じ、非常によくない。イトウ・シモナガ2人の間にモヤッとした空気が流れており、ウエタカはなんか喋れ(怒
さらに、トドメはイトウのこの一言でした
DTP Beeさん(県内のDTP勉強会)、beeでハチ推しなので ちょっとどうやろ
( ; ´Д` ) (そうだね)
意気消沈。
うむ、確かに指摘のどれもが納得できるものではあります。
私としてもなんかイラレが捗っちゃって、もう勢いのままに作ってしまったので客観的な目で見ることができなかったようです。
なによりここまで言われちゃったらもうこの案は使えないでしょう挟持として。私は2案目の制作を決意するわけです。
さらば蜂 貴様のことは 生涯忘れない 忘れないから
8と無限
サイモトは激困った。
蜂案、好きだったからなあ…。思い入れがあると切り替えるのも大変なのです。
ただ、考えればいくらでも出るものではあるんです。ただその無限に近い可能性の中から、うまく取り出せないだけ。
アイデア出しというのはかくも難しく、凄い人ほどなんでもないことにポンポン気付けるものなんです。
・・・・・・ん、無限?
んんん…?
んんんんんんんんん…?
これは… まてよ… アレをこうして、アレして アレだ…
できました!
行き当たりばったりとかいうな!インスピレーションと言え!
この場合のアプローチとしては以下のようなかんじですね。
8と循環形というのは、非常によく使われるモチーフです。形もまんまですしね。ですので、ありふれてはいますが意図が連想しやすい。何よりシンプルな形なので、勉強会のフライヤーのようなレイアウトで使うのに非常に向いています。「無限の表現」というコピーも韻を踏んでいてなかなかお気に入りです。
誤算といえば、勉強会のロゴはMBゴシックとDINをベースにして作っており、欧文では必然的にDINを使うことになるのですが、このDINがけっこうアンバランスな作りをしてたことです。バランス合わせるのがたーいへん。
Helveticaとかだったらもっと作業もしやすく、全体に安定感が出たのではないかと。(DIN自体は素晴らしく良いフォントですよ。念のため。)
なんにせよ、できた。できたからには、再度メンバーに見せます。
無限のスペースと詰め
さて今度はどんな結果になるか・・・。ドキドキもんですな・・・。
前回と打って変わってかなりシンプルになった構成。なんと言われるか・・・。
いいんじゃないでしょうか
大丈夫です。
おうおう、よかった。(大丈夫ってなんだ)
らしくねえよ
( ; ´Д` ) (そうかね?)
曰く、「サイさんらしくないし全体にモヤッとする」とのこと。
サイモト、制作においていろいろ意図を詰め込み過ぎて、要素の大渋滞を起こしてしまうきらいがあるので、今回はそのあたりを反省して「おもいきってスッキリやってやる!」とやっていったのが裏目に出たようです。自覚がないのが怖いですね・・・。
らしさとは・・・人生とは・・・。
色々話してみた所、ざっくりいうと「全体のツメが甘い」ということだったので全体のスペース、文字間などをより細かく見ていきます。
揃えるところは揃え、詰めれるところは詰め、必要とあらば文字そのものを削ったり、全体のバランスを調整・・・あと「なるべくシンプルに」という指摘もあったので、個々のカタチの精査も行います。
で、やっていった最終版がこちら。
全とっかえにならなくてよかった・・・
メインのタイポグラフィを若干拡大、文字詰め&文字変形を行い、基礎を固めた後、その他の文字情報のサイズを若干ずつ調整、文字ごとのラインを揃えて、全体のバランスを整えています。
正直、1週間経った今振り返ってみると「ココこれでよかったのか?」となる箇所も散見されます、が・・・。
そん時調整できなかったんだから あたいの力不足よ、しょうがないじゃないの 怒
そんなこんなで校了となったのでした。長い戦いだった・・・。ありがとうございました・・・(疲労)
まとめ
というわけでこのような過程を経て、今回のフライヤーはデザインされました。
デザインというのはアートとはまた違った側面があるので、客観的な意見は多分に意識しないといけない。かと言って自意識を疎かにするとなんだかよくわからないモノを作り出す存在になっていくので、そのあたりのバランスが非常に大事なんだということがわかります。
タイポグラフィも同様に、文字と文字の関係性、バランスが重視されるテクニクーです。どこまでいっても学び、というか沼。
まだまだ私もひよっこですが、面白いですよタイポグラフィ。それについて学んでいくのが今回の勉強会です!
なんとゲストスピーカーとしてモリサワ様も登壇!
ぜひ!遊びに来てください!
おまけ:迷走中の一コマ